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うつ病を区別する(テキスト版)

パソコンやスマートホンではPDF版をお読みください。PDF版が開かない場合は、以下をお読みください。テキストだけを抜き出しました。殺風景ですが、最も軽い作りになっています。携帯などでも読めます。

○最初に断っておく。
うつ病のうつ状態にある人は、この著作を含むあらゆる書籍・インターネット・メディアを読まない・見ないほうがよい。
ひたすら、無理をせず休んでいただきたい。
この著作はうつ病以外の人々・うつ病だがうつ状態にない人々を対象とする。
○この著作について
この著作は企業のメンタルヘルス担当者やうつ病の夫・妻・子供をかかえる家族向けの講演のスライドでもある。
だが、前項のように言っても、うつ病のうつ状態にある人がこの著作を読むかもしれない。そういうときのために、この著作を派手なカラフルな作りにせずに、白黒を基調とする作りにする。また、できる限り、文章を簡潔にし、全体を短くする。何事にも例外や詳細はあるが、それらを省略し、重要なことだけを説明する。
○参考文献
『記憶をもつ動物の心理学』
『習性をもつ動物の心理学』
『自我をもつ動物の心理学』

NPO法人神戸三宮コムはそれらの翻訳権をOUR-EXISTENCE.NETから取得しています。
○用語について[1]
従来から「内因性うつ病」などと呼ばれるものがあった。
ICD-10,DSM-Ⅳ-TRなどの比較的、新しい診断基準では「大うつ病性障害」「反復性うつ病性障害」などと呼ばれるものがある。
それらはすべて同一の「精神障害」「心の病気」である。
この著作ではそれらの同一の精神障害を単に「うつ病」と呼ぶことにする。
○用語について[2]
うつ病は気分の落ち込み・意欲の低下・不眠などから成る状態を繰り返す。そのような状態は比較的新しい診断基準では「うつ病エピソード」などと呼ばれる。
この著作ではそれを「うつ病のうつ状態」「うつ状態」と呼ぶことにする。
○用語について[3]
この著作では「治療」「治療法」などの言葉を使わずに「方法」「対処法」などの言葉を用いることにする。
何故なら、うつ病のうつ状態への対処法は自殺の予防・無知な忠告の排除・企業や親の干渉の排除などを含み、それは医療や治療を超えているからである。
○用語について[4]
最近、「○×うつ病」・・・などの言葉が流行っているが、精神医学ではそれらの概念は認められていない。それらの言葉は10年後には消えているだろう。
それらの言葉が指すものは、うつ病か、うつ病以外のものか、のいずれかである。
うつ病とうつ病以外のものとの区別を強調する必要があるときは、うつ病を「本物のうつ病」と呼び、うつ病以外を文字どおり「うつ病以外」と呼び、本物のうつ病のうつ状態を「本物のうつ病のうつ状態」「本物のうつ状態」と呼ぶことにする。
○まず、最も重要なこと
本物のうつ病とうつ病以外とを区別する必要がある。
それが最も重要である。

何故か?
○本物のうつ病とうつ病以外との区別は何故、重要か?
本物のうつ病とうつ病以外とでは、対処法が異なるからである。
うつ病にはうつ病の対処法がある。
うつ病以外にはそれぞれの対処法がある。
うつ病にうつ病以外の対処法を適応すると、
なかなか改善しないどころか、
場合によっては自殺する。
うつ病以外にうつ病の対処法を適応すると、
いつまでも改善しないどころか悪化する。
うつ病のうつ状態への対処法
端的に言って、ひたすら、
無理をしないこと。
頑張らないこと。
リフレッシュしないこと。
遊ぼうとしないこと。
自己分析しないこと。直面しないこと。
他人の無知な忠告を無視して、ひたすら、
休むこと。休養すること。休職すること。休学すること。
怠けること。

後で詳しく説明する。
○何事にも例外はある。
例えば、パニック障害・強迫性障害が本物のうつ病のうつ状態と同様の状態になることはある。それについては別の機会に詳しく説明する。
さらに、それら以外が本物のうつ病のうつ状態と同様の状態になることがある。
だが、それはごく稀である。
そこで、この著作ではそれらの例外を除外することにする。
○従来の精神保健やメンタルヘルスやマスコミの間違い
従来の精神保健やメンタルヘルスやマスコミは、本物のうつ病とうつ病以外とを区別せずごちゃまぜにして、本質や対処法を論じてきた。
そのようにごちゃまぜにするのでは、本物のうつ病もうつ病以外も改善せず悪化するだけであり、徒労どころか害悪である。
○また、うつ病とうつ状態とを区別する必要がある。
気分の落ち込み・意欲の低下・不眠などから成る状態が「うつ状態」であり、
うつ状態とうつ状態を繰り返す原因とが「うつ病」である。
対処法としては、
うつ状態への対処法の最重点は自殺の予防であり、重点として無知な忠告の排除・企業・親などの干渉の排除・・・がある。
うつ病への対処法の重点は抗うつ薬の定期的服薬・オーバーワークの停止・・・などにある。
○うつ病のうつ状態の主要な原因
現代の医学ではうつ病の主要な原因は神経系の機能的障害にあるとされ、その機能的障害の詳細が確かめられつつある。
例えば、セロトニンを放出する神経細胞の機能低下などである。
だが、それはうつ病のうつ状態の原因である。
○うつ病の主要な原因
うつ病はうつ状態を繰り返す。
うつ病がうつ状態を繰り返す原因がうつ病の主要な原因である。
それは、現代の医学でもほとんど解明されていないが、
まず、遺伝子にあり、遺伝子による
神経伝達物質・受容体の合成・代謝にあると考えられる。
それらを解明した者はノーベル医学生理学賞を受賞するかもしれない。
○うつ病のうつ状態の他の原因
主要な原因は神経系の機能的障害にあるが、
他の原因として、
いわゆる「ストレス」がある。
○だが、
本物のうつ病では
なんのストレスもないのにうつ状態になることがある。
もちろん、悲しいこと・嫌なことがあってうつ状態になることがある。
だが、嬉しいこと・楽しいことがあってうつ状態になることがある。
○だから、
ストレスはうつ病のうつ状態の主要な原因ではなく、
誘引に過ぎない。しかも、一つの誘因に過ぎない。
だから、うつ病のうつ状態の予防として、ストレスさえなくせばよいというものではない。
○人格について
確かにうつ病になりやすい人格はあるように見える。例えば、生真面目・几帳面・硬い・気を使う・仕事をしだしたら止まらない・・・など。
だが、それらは原因ではなく、前述のうつ病の主要な原因の結果である。
つまり、うつ病の主要な原因である遺伝子・神経伝達物質・受容体の合成・代謝の結果として、それらの人格と呼ばれるもの、実体は「習性をもつ動物の心理学」で説明されている「人間機能の習性」がある。
○いずれにしても、
うつ病のうつ状態では自己や人格について考えたり「自己分析」や自己への「直面」をしないほうがよい。させないほうがよい。
それらをするなら、ますます、自分が駄目な人間に思えてきて、自殺をする恐れが大きくなる。
くれぐれも、うつ病のうつ状態では自己分析や自己への直面をしないこと。させないこと。
○うつ病のうつ状態の特徴
前述のとおり、うつ病とうつ病以外とを区別することは重要である。
それらの区別の決め手は、
うつ病のうつ状態の特徴をうつ状態以外と対比しながら理解することである。
そのとおりにしていく。
○朝に気分が落ち込み意欲が低下する。
うつ病のうつ状態では、
朝に気分が落ち込み意欲が低下し、
それらは昼から夕から夜に向けて改善する。
それはうつ病の気分の「日内変動」と呼ばれる。
または、一日中、気分が落ち込み意欲が低下する。
いずれにしても、気分・意欲の変動にストレスとの関連が少ない。
それに対して、
うつ病以外では、
朝は気分・意欲はましでも、職場や学校に行き人付き合いをするにつれて気分が落ち込み意欲が低下する。
または、ストレスがある日に気分が落ち込み意欲が低下する。
いずれにしても、ストレスとの関連が大きい。
○途中で目が覚める。早く目が覚める。
うつ病のうつ状態では、
寝つきは比較的よいが、
途中で目が覚める。
朝早く目が覚める。
それらは「中途覚醒」「早朝覚醒」と呼ばれる。
○それに対して、
うつ病以外では、
寝つきが悪い(入眠障害)。
一度、寝付くとよく眠れる。
むしろ、朝寝坊する。
○身体症状
うつ病のうつ状態では、必ずといってよいほど、身体症状が出現する。
例えば、頭痛・頭部圧迫感・胸痛・胸部圧迫感・動悸・息苦しさ・腹痛・腹部不快感・吐き気・便秘・下痢・発汗・熱感・・・など。
それらは風邪と似ている。
うつ病のうつ状態になったことがない方は風邪のときどんな症状があったかを思い出してみればよい。すると、少しはうつ病のうつ状態を理解できるかもしれない。
○ストレスとの関連が少ない。
前述のとおり、ストレスはうつ病のうつ状態の一つの誘因に過ぎない。
だから、うつ病のうつ状態はストレスとの関連が少ない。
前述のとおり、何のストレスもないのにうつ状態になることがあり、悲しいことや嫌なことはもちろん、嬉しいことや楽しいことがあったのにうつ状態になることがある。
例えば、合格・進級・卒業・就職・昇進・退職・結婚・出産・旅行・パーティー・・・があっても、うつ状態になることがある。
○うつ病のうつ状態は必ず回復する。
うつ状態の平均の時間は6ヶ月である。
うつ状態が一生つづくことは決してない。
うつ状態が数年も続くことは決してない。
うつ状態が数年続くとすれば、
それはうつ病以外か
うつ状態を何回か繰り返しているかである。

いずれにしても、うつ病のうつ状態は必ず回復する。
○そして、死にたい気持ち
うつ病のうつ状態では、
自分は駄目な人間だ。
自分は一生このままだ。
自分が生きていること自体が罪である、人に迷惑をかけている。
などの悲観から、死にたい気持ちが起こることが多い。
○本気で自殺しようとする。
うつ病のうつ状態では、
本気で自殺しようとする。
だから、自殺の手段としては、
首吊り・飛び降り・飛び込み・ガス
などが選択され、
しかも、人知れず、こっそりやる。
リストカット・大量服薬などは少ない。
○よく、言われることの間違い
「うつ状態のどん底にある人は自殺する気力もない」「回復期が危ない」とはよく言われる。
確かに、重度のうつ状態のどん底では何もできず自殺する気力もない。 だが、軽度~中等度のうつ状態のどん底にある人が自殺する可能性は回復期などより大きい。
その点には要注意!
○当然、
自殺を防ぐことが、
うつ病のうつ状態に対する対処法の第一の課題である。

では、うつ病のうつ状態に対する対処法を、自殺の予防を中心に説明していく。
○悲観
うつ病のうつ状態の人が頑張ろう・仕事をしよう・勉強しよう・・・としても、気分の落ち込み・意欲の低下から、頑張れない・仕事はできない・勉強はできない。
すると、ますます気分が落ち込み・意欲が低下し、自分は駄目な人間だ・・・と悲観し、自殺をする危険が大きくなる。
だから、
○対処法[1]無理をしないこと
ひたすら、
無理をしないこと。
頑張らないこと。
仕事をしないこと・勉強しないこと。
休むこと。休養すること。休職すること。休学すること。 怠けること。
○無理して遊びやリフレッシュをしないこと
うつ病のうつ状態では遊びやリフレッシュや趣味もする意欲がない。無理してそれらをしないこと。
リフレッシュというのはうつ病のうつ状態にないときにうつ状態の予防のために必要なことであって、うつ状態ではリフレッシュしようとしないほうがよい。
リフレッシュしたほうがよいという他人の無知な忠告は無視すること。
○対処法[2]他人の無知な忠告を無視すること
「励ましてはならない」とはよく言われる。
だが、励ましてはならないだけでなく、
他人は余計なことを言わないほうがよい。
励ましていないつもりでも余計なことを言ってしまうことがある。
他人は何も言わないほうがよい。
ひたすら、他人の無知な忠告を無視すること。

これからしばらくの間は他人の対処法を説明する。
○企業の上司も健康管理担当者も
干渉しないこと。産業医や産業カウンセラーさえも。
企業によってはメンタルヘルスのマニュアルのようなものを作っているものもあるが、本物のうつ病とうつ病以外とを区別せずごちゃまぜにしており悪化を助長するものでしかない。
また、中にはお節介な上司がいて、ときどき連絡したり会ったりする上司がいる。それらは自己満足にすぎない。
うつ病のうつ状態の人の休職中は企業は一切、連絡をとらないこと。
○傷病手当などの手続き
うつ病のうつ状態の人も傷病手当の申請などの手続きをしなければならない。
それらの手続きがまた、うつ状態を悪化させる。
企業や健康保険組合はそれらの手続きの補助だけをすること。
○学校の教師もスクールカウンセラーも
休学中の児童・生徒にとって、学校の教師やスクールカウンセラーのアプローチは干渉でしかないことが多い。
この著作に書いてあることをわきまえている教師やスクールカウンセラーなら、少しは連絡をとってもよいが、それ以上のことはしないこと。
○親も配偶者も友人も恋人も
それらの人々も余計なことを言わないこと・しないこと。
特に母親・妻・恋人・友人。それらの優しさとか思いやりとか「愛情」「友情」がうつ病のうつ状態の人にはたいへんな負担になる。
優しさや思いやりや愛情・友情でうつ病を治せると思うのは大きな間違い。思い上がり。自己満足。
この著作に書いてあることをわきまえている人なら少しは話しかけてもよいが、それ以上のことはしないこと。
○一緒にいること
自殺をしそうなうつ病のうつ状態の人が自殺をしないためには、一緒にいることが必要な場合がある。その場合は余計なことを言わずに一緒にいること。
ただし、誰かと一緒にいて急に一人になったときが危ない。
だから、一緒にいるならずっと一緒にいること。ずっと一緒にいれないなら一緒にいないほうがよい。
○対処法[3]重要な決定を下さないこと
うつ病のうつ状態では悲観的になり、重要な決定を下しても、回復した後に後悔することになる。
だから、うつ病のうつ状態では重要な決定を下さないこと。
特に、退職・退学・離婚。
それらをするぐらいなら休職・休学・別居すること。
○対処法[4]必ず回復することを知っておくこと
前述のとおり、うつ病のうつ状態は必ず回復する。一生、このままということは決してない。うつ状態の平均の時間は6ヶ月である。うつ状態が数年続くことは決してない。
それを知っておくこと。そして、回復までひたすら無理をしないこと。
○だが、
うつ病のうつ状態にある人はなかなか回復することを確信できない。
周りの人は回復することをあまり執拗に説得しないほうがよい。場合によっては執拗な説得が余計なことになる。
うつ病のうつ状態が必ず回復することはうつ状態を何度か繰り返せば確信される。一度のうつ状態ではなかなか確信できない。
と言えば、確信できるはずだ。
○対処法[5]抗うつ薬
前述のとおり、抗うつ薬がなくても、うつ病のうつ状態の平均の時間は6ヶ月であり、必ず回復する。
だが、抗うつ薬は回復を早めるとともに、次のうつ状態を予防する。
だが、抗うつ薬を含む薬についてはインターネットなどで情報が氾濫していると思うので、ここでは説明をそれぐらいにしておく。
いずれにしても、うつ病のうつ状態は必ず回復する。
○対処法[6]自己分析しないこと・直面しないこと
うつ病のうつ状態では、悲観的になり、自己分析・自己に直面しようとしても、自分の悪いところしか見えてこず、ますます、悪化し、自殺の危険が大きくなる。
だから、自己分析しなこと・直面しないこと。いわゆる「精神分析」や「心理カウンセリング」も受けないこと。
○さて、これ以降はうつ病のうつ状態にある人は決して読まないこと。
これ以降は、うつ病以外の人・うつ病だがうつ状態にない人々に読んでいただきたい。
「自我をもつ動物の心理学」の中にある直面と停止は以下を除く人々がする必要がある。

うつ病のうつ状態・双極性障害のうつ状態・躁状態・統合失調症・統合失調感情障害・認知症・知的障害・広汎性発達障害
うつ病だがうつ状態にない人
が直面する必要があることは、
自分がうつ状態を繰り返すような原因、
つまり、
遺伝子と神経伝達物質・受容体の合成・代謝をもっているということである。
つまり、いわゆる人格や性格や気質に原因があるのではない。
簡単に言えば、自分の性格や生き方が悪い・悪かったのではない。
○そして、
次のうつ状態が来たときは、
無理をしないこと。休むこと。怠けること。無理して遊ばないこと・リフレッシュしないこと。他人の無知な忠告を無視すること。必ず回復することを心のどこかにとどめておくこと。重要な決定を下さないこと。自己分析しないこと・直面しないこと。

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