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冠詞の基本的意味用法

  冠詞においては詳細な意味よりまず基本的な意味を理解しておく必要がある。そうでなければ詳細な意味も危うくなる。

[1]定冠詞(the)の基本的意味用法

[1]名詞句が一般的なものに属する特定のものであるだけでなく、限定されたものであることを示す。言い方を替えれば、名詞句が新情報ではなく旧情報であることを示す。これが基本的意味である。可算名詞だけでなく不可算名詞、固有名詞に付きうる。これが基本的用法である。基本的意味は以下に分類される。

[1-1]基本通りに名詞句が限定されたものであることを示す。

[1-1-1]先行の名詞句を指す。

Once there lived a miller in a small village. The miller had one daughter.
昔、小さな村に粉ひき屋が住んでいた。その粉ひき屋には娘が一人いた。

[1-1-2]状況から何を指しているか話し手にも聞き手にも分かるものを指す。

He made a doghouse and painted the roof red.
彼は犬小屋を作り、その屋根を赤に塗った。

Please shut the window.
窓を閉めてください。

この例文では窓が話し手と聞き手が今いる部屋の窓であることが分かる。窓が二面あってもそれらをまとめて一面として単数形を用いる。窓を全部閉めるか、一部閉めるかなどについては厳密でない。それは状況に委ねられる。

What is the time?
今何時ですか。

この例文では現在の時間であることが分かる。

To tell the truth, ...
本当のことを言うと。

この例文では話し手と聞き手が今、問題としてることについての事実であることが分かる。

See the doctor.
医者に行きなさい。

上はある地域で共有されている医者を指す。

人名とthe+職業名が同格になることがある。これもある地域で共有されている職業人を指す。

Mr. Brown the lawyer was a man of rugged countenance.
弁護士のブラウン氏は顔つきがいかつかった。

It was William, the coachman.
それは御者のウイリアムだった。

[1-2]唯一のものとして限定されるものであることを示す。客観的に見て唯一物であるものを指すことも、その社会の通念において唯一物であるものを指すこともある。

客観的に見て唯一物であるもの

the sun, the earth, the moon, the sky, the sea, the world, the north, the south, ...

その社会の通念において唯一物であるものであることを示す。昔の一定時代の通念によることがあり、廃止されたものを指すことがある。大文字で始め固有名詞化するものがある。それも慣用による。

the King(王制の国では王は一人だけである)
the Queen(王制かつ一夫一婦制の国では女王は一人だけである。キリスト教の中でも特にカトリックは王にも一夫一婦制を義務付けた。)
the Bible(いくつかの宗教では至高の聖典は一つだけである)
the Lord(一神教においては神や主は唯一である)
the President (大統領制の国において大統領は一人だけである)
the Tower(ロンドン市民にとってのロンドン塔)

[1-2例外]唯一物の一つの様相を示すときは不定冠詞(a)が付く。

a new moon(新月)
a red sun(赤い太陽)
a calm sea(穏やかな海)

[1-2-1]集合名詞について、その社会の通念において唯一物であることを示す。現代では廃止された集団または分立された機関であることがある。数の一致について、それを一個の集団と見るときは単数扱い、それを構成する個人を意味するときは複数扱いになることが多い。それに対して、familyなどのどの社会でも多数ある集団については、theが付くと普通に限定されたものを指す。

the government(政府 単複両様扱い)
the police(警察 複数扱い)
the military(軍 単複両様扱い)
the public(大衆 単複両様扱い)
the aristocracy(貴族(階級) 単複両様扱い)
the clergy(聖職者(階級) 複数扱い)

[1-2-2]the+複数名詞で集合が唯一の集合として既に限定されている。

The owls have large eyes.
フクロウは大きな目をしている。

The Japanese are diligent workers.
日本人は勤勉な労働者だ。

おおざっぱにいって日本人という集合は一つしかない。

[1-2-3]後に続く修飾語句によって唯一のものとして限定される。その文の中で初めて限定されるので、新情報であり、there be構文の主語になれる。

I am studying the life of Vincent van Gogh.
私はビンセント・ファン・ゴッホの生涯を研究している。

He is the principal of this school.
彼はこの学校の校長だ。

He is a teacher of this school.
彼はこの学校の先生だ。

では、この学校の教員は複数いるので、限定されず、不定冠詞(a)しかつかない。

An orphan is a child whose parents are dead.
孤児とは両親が亡くなった子供のことである。

上の例文の一番目と二番目の不定冠詞(a, an)は代表を一つ挙げることによって一般のものを説明する不定冠詞(a)の用法である。このように後続する関係詞節に限定されるからといって必ず定冠詞(the)が付くわけではない。

There's the possibility that his train has been delayed.
彼の列車が遅れている可能性がある。

このように不可算名詞、抽象名詞も限定されえ、定冠詞(the)が付くことがある。それに対して不定冠詞(a)には「一つの」という意味が残っており、不可算名詞に付けられない。

[1-2-3補足1] There is S構文では、Sは既出のものではなく初出の新情報でなければならない。だから、通常はthe+名詞の句または節はSになれない。だが、後続の句節によって限定されてtheが付くときは、新情報でありSになれる。

×There is the book on the desk.→
The book is on the desk.
その本は机の上にある。

At that time there was the attitude everywhere that Moscow and Chinese communists were tightly liked hand in hand.
当時はモスクワと中国共産主義者は固く結ばれているという風潮があった。

[1-2-3補足2] 無冠詞でも the が付いても意味に大差がない場合がある。

Literature that deals with our inner life is necessary above all for teenagers.
The literature that deals with our inner life is necessary above all for teenager.
私たちの内面世界を扱う文学は特に思春期に必要である。

抽象名詞を含む不可算名詞は無冠詞で総称を表す。①の無冠詞の下線部分は総称を表す。②の下線部分は限定されて唯一のものになっている。②は、下線部分と他の種の文学が区別されたために the が付いた。それに対して①の下線部はいきなり総称として登場した。結局、①も②も意味的に大差がない。

[1-2-4]形容詞の最上級を含む句は唯一のものとして限定されるからtheが付く。one of the 最上級+名詞のように複数のものを指しても複数のものが限定されるからtheが付く。基本的に唯一のものを指すfirst, next, only, same, 形容詞のveryなども同様。それらは最上級と同義語と言える。

Tokyo is the largest city in the world in a sense.
ある意味で東京は世界で最大の都市である。

He is the first person to come.
彼が最初にやってきた。

Interpersonal functions are intentional functions in the same way as was explained above.
前述と同様に対人機能は意識的機能である。

[1-2-4例外1]last, nextも最上級の類義語だが、現在を基準時とするときは the が省略される。日常会話では現在を基準時にすることが多いので、慣用的に the が省略されたのである。

(無冠詞) last night(現在から見た昨夜)
the night before = the previous night(過去の基準時から見たその前の夜)
(無冠詞) next week(現在から見た来週)
the next week = the following week(過去の基準時から見たその次の週)

従って直接話法から間接話法への書き換えでは以下のようになる。

He said to me, "I will come back (無冠詞) next week."(そのとき現在が基準時)⇒
He told me (that) he would come back /the next week/the following week/.(言った時が基準時)
彼は私に「僕は来週、帰ってくるよ」と言った。

He said to me, "I saw her (無冠詞) last month."(そのとき現在が基準時)⇒
He told me (that) he had seen her /the month before/the previous month/.(言った時が基準時)
彼は私に「僕は先月、彼女と会った」と言った。

Next week you can go with Beth and Hannah, and have a nice time.
来週、ベスとハンナと一緒に行って楽しんでいいです。

[1-2-4例外1の例外1]だが、過去を基準時とするときでも the が省略されることがある。これも慣用による。

We met next day as he had arranged.
私たちは翌日、彼の手配通りに会った。

[1-2-4例外1の例外2]接続詞的に用いる next time では基準時に係らずtheが省略されることが多い。これも慣用による。

(The) Next time I go skiing, I'll wear warmer clothes.
今度スキーに行くときはもっと暖かい服を着よう。

[1-2-4例外2] only には通常、唯一のものとして定冠詞(the)が付くが、小さな集合の中で唯一のものでも、大きな集合の中では複数ありえ、不定冠詞(an)が付くことがある。例えば、an only child (一人っ子)。これは、only child で一つの語と見なされるとも言える。

①Richard was an only child―and spoiled.
リチャードは一人っ子で甘やかされて育った。

②Richard was the only child of the dead parents.
リチャードはそれらの死んだ両親の一人っ子だった。

①では一人っ子は社会にいくらでもいるから、an が付いた。②では後続する修飾語句によって唯一のものと限定されるから、the が付いた。

[1-2-4例外3] 同一物はただ一つのものとして限定されるので、same には通常、the が付くが、形容詞としての same についても副詞としての same についても、the が省略されることはある。

Animals feel pain /(the) same as we do/in (the) same way as we do/.
動物は私たちと同じように痛みを感じる。

I watched at the gate, same as you advised, Mr. Holmes.
あなたの助言の通り門を見張っていました。ホームズさん。

[1-2-5]固有名詞(人名)に付けて「かの有名な」を意味する。話し手にとっては唯一のものである。発音はジーで強勢がある。書き言葉では斜字体か大文字で示す。

'My name is James Bond.' 'What, not the James Bond?'
「私の名前はジェームズ・ボンドです」「何ですって。あのジェームズ・ボンドではないでしょうね」

[1-2-6]「真の, 最高の、唯一の, 典型的な」を指す。話し手にとっては唯一のものである。発音はジーで強勢がある。書き言葉では斜字体か大文字で示す。

She is the pianist of the day.
彼女は現代の唯一無二のピアニストだ。

[2]定冠詞(the)の派生的慣用的意味用法

[2] それらの基本から派生し、他の冠詞や形容詞では指しえないものを指し、慣用的に定着したものがある。

[2-1] 「真の, 最高の、唯一の, 典型的な」の意味から派生して、the+単数名詞で種一般を指す。「本来の」という意味も含む。

The tiger is a dangerous animal.
トラは危険な動物である。

この例文では典型的な、つまり、野生のトラを意味している。サーカスのトラはさしあたり除外されるが、それも本来は危険ということが言いたいのである。

上の例文では、不定冠詞+単数形、無冠詞複数形も総称を表し可能であるが、意味が微妙に異なる。

[2-2] 普通名詞がもつ主要な抽象的属性を指す。つまり、普通名詞を抽象名詞化する。

The pen is mightier than the sword.
ペンは剣より強し(言論は武力より強い)。

What is learned in the cradle is carried to the tomb.
三つ子の魂百まで(乳幼児期に形成された習性は生涯、減退しない)。

The Child is father of the Man.
子供は大人の父である(人格は主として乳幼児期に形成される)。

I play the piano.
私はピアノを弾く。

The violin is more difficult than the piano.
バイオリンはピアノより難しい。

上の二つの例文では、不定冠詞+単数形、無冠詞複数形は不可である。それは、バイオリンやピアノという物そのものより それらを弾くことという抽象的属性を意味するからである。

[2-3] 共通で唯一である単位を指す。

He gets paid by the hour.
彼は時間給です。

This car does thirty miles to the gallon.
この車は1ガロンで30マイル走る。

The exchange rate will soon be $2 to the pound.
為替レートはまもなく1ポンドにつき2ドルになるだろう。

[2-4]一日のうちの午前に、午後にという場合、「後続の形容詞句節によって限定されて唯一物になる」に従って本来は in the morning of a day, in the afternoon of a day のようにtheが付いてもおかしくはない。さらに、「状況から限定される」に従って、of a day が省略されても、the が付いておかしくない。さらに、慣用によって何がなんでも the が残ったのが in the morning, in the afternoon である。during the morning もある。それに対して、at noon, at night などでは早々とtheが省略された。また、前置詞なしの this morning, on を用いる on Sunday morning などの慣用的表現もある。

We did a lot of work (前置詞なし) this morning.(今日の午前を過ぎてからの発言)
今朝は仕事をたくさんした。

We have done a lot of work (前置詞なし) this morning.(今日の午前中の発言)
今朝は仕事をたくさんした。

We do a lot of work in the morning.
午前には仕事がたくさんある(最近の習慣)。

I talked with her in the morning.
朝、彼女と話しました(習慣ではなく一時的に)。

そのように、一時的動作が行われる時間だけでなく、習慣的動作が行われる時間にも in the /morning/afternoon/ を用いる。

[2-5] 他動詞+目的語+前置詞+the+目的語の身体の部分。theを付けるのも所有格を付けるのも文法的であるが、慣用的に the が用いられるようになった。

(1) He took her hand.
(2) He took her by the hand.
(3) He took her by her hand.
彼は彼女の手を取った。

(1)では動詞の目的語の手が強調され、(2)では前置詞の目的語の手より動詞の目的語の彼女が強調される。だから、(2)では「彼女の手をつかむことによって、彼女をつかまえた」という意味が強い。(3)は(2)の慣用に押されて稀である。

He kissed me on the forehead.
彼は私の額にキスをした。

上の例文のように前置詞として by だけが用いられるのではない。

[2-5例外]身体の部分に形容詞が付いている場合、所有格を付けることが多い。形容詞が付くことによって慣用から解放されたのである。

Somebody kissed my grandfather on his bald forehead.
誰かが祖父の禿げた額にキスをした。

[2-6] the+/形容詞/分詞/で名詞句となり、形容詞または分詞を名詞化する。意味は以下のように分類される。

[2-6-1]一般の~な人々、物(総称)を指す。

the rich(金持ち)⇔the poor(貧者)
the living(生きている人々)⇔the dead(死者)
the old(高齢者)⇔the young(若者)

[2-6-1例外1] andで結ばれて対句になるときは慣用的に無冠詞。

(無冠詞) Young and (無冠詞) old gathered together.
老いも若きも共に集まった。

[2-6-1例外2]国民の総称として、①the+国名形容詞、②the+国民形容詞兼国民を表す名詞の複数形(-s)、③the+国民形容詞兼国民を表す名詞の複数形(単複同形)の三型がある。

①the+国名形容詞で国民の総称。複数扱い。個人を表す時は、/a/the/ 国名形容詞 /person/man/woman/ などになる。

the British
the Scottish
the Irish
the French
the Spanish
the Dutch

The French have undergone not a little despotism, too.
フランス人も少なからぬ専制を経験してきた。

She will marry a British man next month.
彼女は来月、イギリス人と結婚する予定だ。

②the+国民形容詞兼国民を表す名詞の複数形(-s)で国民の総称。特定の限定された複数の人を指すことがある。また、theの付かない複数形で総称を表すことがある。theの付かない複数形のほうが曖昧で批評が穏やかになる。

the Americans
the Germans
the Italians
the Greeks,

The Americans fought with the Germans in the World War Ⅱ.(国民の総称)
アメリカ人は第二次世界大戦でドイツ人と戦った。

The Italians who I recommend to you haven't acquired U.S. citizenship yet.(後続する語句で修飾されて唯一のものとして限定され the が付いた。)
私があなたに推薦するイタリア人はまだアメリカ合衆国の国籍を取っていません。

Americans don't take off their shoes when they enter a house.(総称だが、たいたいのアメリカ人はという意味で、厳密さはない。)
アメリカ人は家に入るとき靴を脱がない。

③the+国民形容詞兼国民を表す名詞の複数形(単複同形)で国民の総称。同様に特定の限定された単数または複数の人を指すことがある。

the Japanese
the Chinese

[2-6-2]特定の限定された~な人、物を指す。だが、一般の~な人、物を指すこともある。

the deceased(故人)
the wounded(負傷者)
the accused(被告人)

The accused was found not guilty.(特定の限定された被告人)
その被告人は無罪になった。

The accused are rarely found not guilty in those days.(一般の被告人)
当時は被告人が無罪になることは滅多になかった。

The dying and (the) wounded were cared for.
瀕死者や負傷者が手当を受けた。

[2-6-3]形容詞を抽象名詞化する。だが、さらに具象名詞化し、一般の~な人、物、特定の限定された人、物を指すことがある。

We must seek after the true, the good and the beautiful.(抽象名詞化)
私たちは真善美を追求しなければならない。

The good die young.(具象名詞化、一般の人、物)
善良な人々は長生きしない。

The unexpected has happened.(具象名詞化、特定のもの)
予測のできないことが起こった。

You are asking me to do the impossible.(具象名詞化、一般のもの)
君は私に不可能なことをしてくれと頼んでいる。

[3]固有名詞と定冠詞

[3-1]固有名詞の部分を限定するとき、theを付ける。それに対して、全体を叙述するときは付けない。

the young Shakespeare
若き日のシェークスピア(若い頃に限定する)
the Europe of today
今日のヨーロッパ(現代に限定する)
the late Mr. Smith
故スミス氏(死後に限定する)

(無冠詞)poor Smith
かわいそうなスミス(全体を叙述する。全体がかわいそうだと言っているのであって、かわいそうな部分に限定しているわけではない。)
(無冠詞)immortal Shakespeare
不滅のシェークスピア(全体を叙述する。全体が不滅だと言っているのであって、不滅の部分に限定しているわけではない。)

[3-2]「あの有名な」を意味するとき、theを付ける。

the wise Solon
かの賢明なソロン

[3-3]本来、普通名詞だが、唯一物になっている。

[3-3-1]普通名詞だけで唯一のものになっている場合、theを付ける。これは「その社会の通念において唯一のものであることを示す」に準じたもの。

the Tower(ロンドン市民にとってのロンドン塔)
the Channel(イギリス人にとってのイギリス海峡)

[3-3-2]形容詞+普通名詞で唯一のものになっている場合 the を付ける。これも「その社会の通念において唯一のものであることを示す」に準じたもの。theは普通名詞を修飾するが、普通名詞が省略されて、theが残ることがある。また、形容詞が省略されてtheが残ると[3-3-1]になる。

the Black Sea
黒海
the Pacific (Ocean)
太平洋
the North Sea
北海

[3-4]固有名詞+普通名詞について

[3-4-1]固有名詞+普通名詞で人造の施設を表すときはtheを付けない。

Victoria Station
ビクトリア駅
Harvard University
ハーバード大学
Westminster Abbey
ウエストミンスター寺院
Buckingham Palace
バッキンガム宮殿
Kobe Port =the Port of Kobe
神戸港
Heathrow Airport
ヒースロー空港
Hyde Park
ハイドパーク
Scotland Yard
ロンドン警視庁

[3-4-1例外]船名にはtheを付け、普通名詞は省略される。

the Titanic
タイタニック号

[3-4-2]固有名詞+普通名詞で自然の地形、領域を表すときはtheを付ける。普通名詞が省略されることがある。

the Mississippi (River)
ミシシッピ川
the Hudson River
ハドソン川
the Crimea Peninsula
クリミア半島
the Sahara (Desert)
サハラ砂漠
the Argentine (Republic)

[3-5]普通名詞+固有名詞には付けない。普通名詞が称号として冠詞のように機能しているから。

President Bush
ブッシュ大統領
Queen Elizabeth
エリザベス女王
Lake Michigan
ミシガン湖
Mount Everest
エベレスト山

[3-6]普通名詞+前置詞+固有名詞では普通名詞にtheを付ける。これは「後続する形容詞句節によって限定され唯一のものになる」に準じたもの。

the University of Oxford
オックスフォード大学
the Lake of Geneva
ジュネーブ湖

[3-7]普通名詞に由来する固有名詞には付ける。これは「典型的ななどを意味する」に準じたもの。

the Lizard = Lizard Peninsula
リザード半島
the Strand
ストランド通

[3-8]複数形の固有名詞にはtheを付ける。

the Wilsons
ウイルソン一家
the Rockies = the Rocky Mountains
ロッキー山脈
the Canaries = the Canary Islands
カナリア諸島
the New York Yankees
ニューヨークヤンキーズ

The Smiths are coming tonight.
今夜、スミス一家が来る予定だ。

the Times
タイムズ(イギリスの新聞)
the New York Times
ニューヨークタイムズ

それに対して、

(無冠詞)Time
タイム(アメリカの週刊誌)

[4]不定冠詞(a, an)の基本的意味用法


[4]名詞句が一般のものに属する特定のものであり、[4-1]会話や文章の中で初出であり未だ聞き手には限定されていないが、話し手の中では限定されていることを示す。そのようにして限定されたものとまだ限定されていないものを区別し、聞き手の誤解を予防する機能をもつ。または、[4-2]話し手も未だ限定していないことまたは[4-3]そもそも限定する必要がないことを示す。これが基本的意味である。また、可算名詞単数形だけに付く。これが基本的用法である。

[4-1]名詞句が一般のものに属する特定のものであり、会話や文章の中で初出であり未だ限定されていないが、話し手の中では限定されていることを示す。「ある」と訳せる。

My brother's going out with a French girl.
私の兄(弟)はあるフランス娘と付き合っている。

The accident occurred on a Friday afternoon.
その事故はある金曜の午後に起こった。

My father died on a Saturday.
父はある土曜日に亡くなった。

It is true in a sense.
それはある意味で正しい。

上の例文で、聞き手が In what sense?(どの意味で)と尋ねると、話し手は明確に答えられないかもしれないが、話し手は漠然とでも限定している。

[4-2]名詞句が一般のものに属する特定のものであり、話し手も未だ限定していないことを示す。

I want to employ a secretary, a Spanish speaker.
私はスペイン語のできる秘書を雇いたい。

I want to marry a girl who is a pianist.
私はピアニストの女の子と結婚したいと思っている。

話し手も限定していない、つまり、結婚したい相手はまだ見つかっていないなら、[4-2]の例文である。だが、特定の限定された女の子を指すことも可能であり、[4-1]の例文でもありえる。それに対して、関係詞を非制限用法にすると、[4-1]の例文である。

I want to marry a girl, who is a pianist.
私はある女の子と結婚したいと思っている。彼女はピアニストだ。

I want to marry the girl who is the best pianist in my school.
私は学校で一番ピアノがうまい女の子と結婚したいと思っている。

上の例文では、girl に who 以下の関係詞節に限定されしかも最上級で限定されているので唯一物として限定され the が付く。だが、これだけでは話し手が誰が一番うまいのかを限定しているかは不明である。

[4-3]名詞句が一般のものに属する特定のものであり、そもそも限定する必要がないことを示す。

"I want a pen. Any will do." "Here is one."
「私はペンが欲しい。どんなものでもよい。」「ここに一つあるよ」
上の例文では、pen を限定する必要がない。だから、it で受けられない。oneで受けられる。このone は a penを代用する代名詞である。

"I've lost a pen. It is expensive one."
「私はあるペンを探している。それは高価なやつだ。」

上の例文では pen は話し手の中で限定されている。これは[4-1]の例文である。itで受けられる。

同じ名詞が続いても同一物でなく特定のものでなく限定されないときは the は付かない。

Everybody must make a short speech. You must make a short speech, too.

[5]不定冠詞(a,an)の派生的慣用的意味


[5-1]総称=every, any。名詞句が一般のものであることを示す。一つを代表として挙げて「任意の」という意味。

A cat has nine lives.
猫に九生あり。

一般のものを説明するのに便利である。上の例文で複数形で一般のものを説明すると、nineとするのに抵抗がある。

He has nine lives like a cat.
彼は猫のようにしぶとい

An orphan is a child whose parents are dead.
孤児とは両親が亡くなった子供のことである。

一番目と二番目の不定冠詞(a, an)はともに名詞句が総称であることを示す。このように後続する関係詞節に限定されるからといって必ず定冠詞(the)が付くわけではない。

[5-1注意]一つの典型について述べるため、一般のものの全体を指すことはできない。

×A panda is becoming extinguished.→
○Pandas are becoming extinguished.
○The panda is becoming extinguished.
パンダは絶滅しかけている。

[5-1-1]主語が一般のものに属することを示す。

My father is a teacher.
私の父は教師です。

He remained a bachelor all his life.
彼は生涯、独身だった。

[5-1-2]as 原級 as, likeなどに続く直喩で一般の~のようにという意味。

as busy as a bee
非常に(蜜蜂のように)忙しい
as cunning as a fox
非常に(狐のように)ずる賢い
as cool as a cucumber
非常に(キューリのように)冷静である
as dead as a doornail
完全に(鋲釘のように)死んでいる
as gay as a lark
たいへん(ヒバリのように)陽気である
as poor as a church mouse
非常に(教会のネズミのように)貧しい
as proud as a peacock
たいへん(クジャクのように)自尊心が高い
as timid as a hare
非常に(ノウサギのように)臆病な

[5-1-2例外]

不可算名詞、名詞複数形、固有名詞には a は付かない。
as dry as dust
無味乾燥な(不可算名詞)
The twins are (as) like as two peas (in a pod).
その双子は瓜二つだ(名詞複数形)。
as wise as Solomon
たいへん(ソロモンのように)賢い(固有名詞)

[5-2]不可算名詞を可算名詞化し派生的意味を付与する。複数あるなら無冠詞の複数形が用いられる。

[5-2-1]不可算の抽象名詞を具体的個物とする。

An air conditioner is a necessity in a hot country like this.
エアコンはこのように暑い国では必需品だ。

It is a pity that you can't stay longer.
もっと長く居てもらえないのが残念です。

You would be doing him a kindness by telling him the truth.
彼に本当のことを言ってやればそれが親切な行為をしていることになる。

I sincerely appreciate your many kindnesses to me.
いろいろとご親切にしていただいて心より感謝いたします。

[5-2-2]不可算の物質名詞を具体的個物とする。

She got an iron for a wedding present.
彼女は結婚式のプレゼントにアイロンをもらった。

[5-2-3]不可算名詞にも複数の種類があることに着目し、それらの種類の限定されていない一つであることを表す。抽象名詞でも物質名詞でも。

Temperance is a virtue.
節制は一種の美徳だ。

Mahogany is a wood.
マホガニーは木材の一種だ。

This must be a different tea from the one we usually buy.
これはわたしたちがいつも買うのとは違った種類の紅茶に違いない。

A heavy rain began to fall.
激しい雨が降り始めた。

この例文のように、形容詞を伴って種類を指すことがある。形容詞がなければ The rain began to fall とするところ。この the は唯一物であることを示す the である。

[5-2-4]原型不定詞、動名詞についても具体的行為や種類を表すなど普通名詞化する。

Let's go for a swim.
泳ぎに行こう。

Let's /go for/have/take/ a walk.
散歩に行こう。

A knocking at the door was heard.
ドアをノックする音が聞こえた。

I began to take a liking for her very soon.
私はすぐさま彼女が好きになり始めた。

You must give him a fair hearing.
君は彼の言うことを公平に聞かなければならない。

[5-2-5]固有名詞を可算名詞化することもある。「~という人」「~のような人」「~家の一人」「~の製品」などの意味になる。

A Mr. Wilson came to see you when you were away.
あなたが留守の間にウイルソンという人が会いに来られました。

He thinks he is an Edison.
彼は自分をエジソンのような発明家だと思っている。(唯一無二とは思っていない)

He thinks he is the Edison of the 21th century.(唯一無二と思っているから the が付く)
彼は自分を二十一世紀の随一のエジソンのような発明家だと思っている。

You should remember you are a Smith.
あなたはスミス家の一人であることを忘れてはなりません。

the Smiths ならスミス家の人々になる。

My car is a Jaguar.
私の車はジャガー(社の製品)だ。

[5-2-6]連続体である不可算名詞の一部分を表す。意味的に a piece of などまたは some と等しい。成句で用いられることが多い。成句の中で a piece of, some などが用いられることはない。

For a while
しばらくの間
at a distance
やや離れた所に

He has a knowledge of Greek.
彼はギリシア語を少々知っている。

There was a silence.
しばらくの間、沈黙があった。

[5-3]通常、唯一物には定冠詞(the)が付くが、唯一物と言えない意味をもたせるとき、不定冠詞(a)が付くことがある、または、複数形になることがある。

[5-3-1]唯一物の一つの様相を示すときには不定冠詞(a)が付く。唯一物にも種類があり、その一種であることを指すとも考えられる。

the sun に対して
a flaming sun
燃える太陽
the moon に対して
a full moon
満月

[5-3-1-1]固有名詞の一つの様相を指すときも同様である。

There was a long silence before a shocked Becky felt able to reply.
長い沈黙の後ようやくショックを受けたベッキーは言葉を返せると感じた。

それに対して、話し手が知っているいつものベッキーなら the が付く。

There was a long silence before she recovered the cheerful Becky.
長い沈黙の後ようやく彼女は陽気なベッキーに戻った。

An irate President Eisenhower declared a complete trade embargo.
怒ったアイゼンハワー大統領は完全禁輸を宣言した。

[5-3-2]序数詞を含む名詞句には通常、唯一のものとして限定されるので、定冠詞(the)が付くが、「もう一つ追加で」という意味ではanother(an other)と同様に不定冠詞(a)が付く。

He tried to jump across the river a third time.
彼は(二回やった後で)もう一度、川を飛び越えようとした。

[5-3-3]最上級、序数詞、最上級類似語 を含む名詞句は通常、唯一のものとして限定されるので、定冠詞(the)が付くが、それらの名詞句が一つの可算名詞のように機能するとき、不定冠詞(a)が付いたり複数形になることがある。

I went to law as a last resort.(last resort で一つの可算名詞として機能する)
わたしは最後の手段として法律に訴えた。

Litigation should be a last resort.
訴訟は最後の手段であるべきだ。(同上)

A first attempt was made.
最初の試みがなされた。(同上)

He is an only son, but he is not spoiled.
彼は一人っ子だが、甘やかされていない。(同上)

[5-4]一つの=one, 現代では one の代用である。意味は one より弱い。一つのを強調するときは発音は[ei]で強勢がある。

A bird in the hand is worth two in the bush.
手に入れた一羽の鳥は薮の中の二羽の値打ちがある。

Rome was not built in a day.
ローマは一日にして成らず。

I waited for an hour.
私は一時間待った。

上のような例文では強勢はない。

[5-4-1]not a ~で一つもないという強い否定を表す。

I don't remember a word of what he said.
彼が言ったことをわたしは一言も覚えていない。

[5-4-2]数量の単位が一つあることを示す。

a flock of birds
一群の鳥
a host of daffodils
黄水仙の群生
a hundred (of) books
百冊の本
half a dozen
半ダース

[5-4-3] [5-4-2]から派生して、a+X(不可算名詞を容れる容器や不可算名詞の部分を表す可算名詞)+of+不可算名詞で、不可算名詞を可算可能にする。数詞または不定数詞+Xの複数形+不可算名詞の形も可能である。不可算名詞としては物質名詞も抽象名詞も可能である。

A cup of coffee(物質名詞)
一杯のコーヒー

Two cups of coffee
二杯のコーヒー

/A piece/An item/ of information(抽象名詞)
一つの情報

/Some pieces/Some items/ of information いくつかの情報

[5-4-4][5-4-2]から派生して、a+不定の数量を表す名詞+of+可算名詞または不可算名詞で不定の数量をもつものを表す。多数多量を表すものは、数量を表す名詞の複数形+of+可算名詞または不可算名詞の形もとることが多い。

a lot of = lots of
a pile of = piles of
a heap of = heaps of
a stack of = stacks of
以上、/多数/多量/の

piles of troubles(多くの困難、可算名詞)
a stack of work(多くの仕事、不可算名詞)
stacks of money(大金、不可算名詞)

a bit of
a touch of
a drop of
a pinch of
a grain of
以上、/少数/少量/の

There isn't a grain of truth in the story.
その話には真実のかけらもない。

[5-4-4例外]bits of では「~の破片」の意味になる。

The floor was covered with bits of broken glass. 床は割れたグラスの破片で覆われていた。
[5-4-5]一つのの意味から派生して、しばしば of a -で同一の。古語でありことわざなどで残る。現代ではof the same - などが用いられる。

Birds of a feather flock together.
類は友を呼ぶ。

Two of a trade seldom agree.
商売敵(同一業者が合意することはほとんどない)

The eggs are all of a size.(古めかしい)→
The eggs are all of the same size.
その卵はすべて同じ大きさです。

[5-4-6]many, few, littleなど不定数詞の前に付いてそれらの意味を修飾する。

[5-4-6-1]few, little という否定的意味の不定数詞に付いて、「少しはある」ことを意味する。

A little learning is a dangerous thing.
生兵法は大けがのもと。

[5-4-6-2]a /great/good/ many - の形で、= very many。great の方が意味は強い。それらが修飾する名詞は a が付いても複数形で複数扱い。

A good many books in that library were burned by the fire.
火事であの図書館の相当数の本が焼けました。

[5-4-6-2-1] many a - で多くのを意味するが、これは単数扱い。

[5-4-6-2-2] quite a /few/little/bit/, a /good/fair/ few で逆に/多数/多量/のの意味になる。

[5-4-6-2-3] それに対して、not a few/little, no few/little, quite a lot of - ではかなり/多数/多量/のの意味になる。

[5-5]a most 形容詞 単数名詞で絶対最上級と呼ばれるものになり、狭義の最上級ではなく、very に等しい。複数名詞なら無冠詞で very に等しい。

He is a most clever man.
彼はとても賢い。

He is the cleverest man.なら普通の最上級である。

They were most pleasant people.
彼らはとても感じのよい人々だった。

They were the most pleasant people.なら普通の最上級である。

[5-5例外]the most 形容詞で最上級の意味が薄れてveryに近くなることがある。

Isn't she the most beautiful?
彼女はすごい美人じゃないか。

[5-6]「~につき」。前置詞に由来し、不定冠詞とは別由来。

They stage two Shakespeare plays a year.
彼らは年に2本のシェイクスピア劇を上演する.

[6]冠詞の発音

[6-0]冠詞そのものを意味するときは、定冠詞(the)は「ジー」、不定冠詞(a)は[ei]と発音する。

This usage of the and a is wrong.
この「the」と「a」の使い方は間違っている。

[6-1]固有名詞(人名)に付けて「かの有名な」を意味するときとと「真の, 最高の、唯一の, 典型的な」を指すときは、定冠詞(the)を「ジー」と発音する。

'My name is James Bond.' 'What, not the James Bond?'
「私の名前はジェームズ・ボンドです」「何ですって。あのジェームズ・ボンドではないでしょうね」

She is the pianist of the day.
彼女は現代の唯一無二のピアニストだ。

[6-2]「一つの」の意味を強調するときは、不定冠詞(a)を[ei]と発音する。

A bird in the hand is worth two in the bush.
手に入れた一羽の鳥は薮の中の二羽の値打ちがある。

[7]冠詞相当語句

[7]以下の語は冠詞と同様の機能をもつので、冠詞と重ねることができない。

[7-1]不定冠詞相当語句

one, another, some, any, each, every, either, neither, no

Either book will do. = Either of the books will do.
どちらの本でも事足りる。

二番目の例文の either は代名詞である。

[7-2]定冠詞相当語:

指示代名詞の形容詞的用法(this, that, these, those)
人称代名詞の所有格(my, our, your, his, her, their)
名詞の所有格(Tom's, my sister's, and so on)
疑問代名詞の形容詞的用法(what, which, whose)
関係代名詞の形容詞的用法(what, which, whose)
複合関係代名詞の形容詞的用法(whatever, whichever, whosever) 称号(Mr. Mrs. Miss, President, Mount(Mt.), etc.)

They may break the cease-fire agreement, in which case we will have to take more drastic action.
彼らは休戦協定を破るかもしれない。その場合、私たちはもっと根本的な行動をとらなければならないだろう。

[8]冠詞の語順

[8]以下の語順に注意を

[8-1] /what/such/ a (形容詞) 名詞

I have never had such a wonderful time.
こんな素晴らしい時を過ごしたことがない。

I know what a lucky boy I am.
自分がなんと幸運な少年かを私は知っている。

[8-1-1]ただし、複数名詞、不可算名詞が来たときは定冠詞(a)は付かない。

What fools they are! (複数名詞)
彼らはなんという馬鹿なんだろう。

Did you ever see such weather? (不可算名詞)
あなたはこんな天気を見たことがありますか。

[8-2] /how/as/so/this/that/ 形容詞 a 可算名詞。ただし、この場合の /this/that/ は副詞であり、so と等しい。

格式体である。

"How long a tape was it?" "A two-hour cassette."
「それはどれぐらいの長さのテープでしたか」「2時間のカセットでした。」

I did not expect that big a turnout.
私はそんなにたくさんの出席者を予想していなかった。

He is as great a musician as ever lived.
彼はかつての誰にも劣らない偉大な音楽家だ。

How big an apartment do you want?
どれぐらいの大きさのアパートをお求めですか。

We must do something on however humble a scale.
どんな小さな規模でもいいから何かをしなければならない。

[8-2-1] as に関する限りで、 a なしの名詞複数形が可能である。他は不可である。

He has as many books as I.
彼はわたしと同じぐらいの数の本を持っている。

×How cute girls they are!→
〇What cute girls they are!
なんてかわいい少女たちなんだ。

[8-2-2] what に書き換えられる how と such に書き換えられる so について、そのように書き換えるのが普通であり、複数可算名詞、不可算名詞についてはこの用法はなく what, suchを用いなければならない。

×I have never seen so clever boys.→
〇I have never seen such clever boys.
私はそんなに賢い少年たちを見たことがない。

一人の少年なら→
△I have never seen so clever a boy.→
〇I have never seen such a clever boy.

[8-3]/too 形容詞 a 名詞/a too 形容詞 名詞/

前者のほうがよく使われる。to不定詞と連動しないときは後者であることがある。

This is too good a opportunity to miss.
これは逸するには惜し過ぎる機会だ。

He exclaimed with a too late repentance.
彼は後悔して叫んだが、遅すぎた。

[8-4]/quite a 形容詞 名詞/a quite 形容詞 名詞/

前者のほうがよく用いられる。

He is /quite an unusual/a quite unusual/ man.
彼はとても変わった男だ。

It's quite an usual story.
それは奇異な話だ。

[8-5]quite the 名詞

以下のような成句となる。

quite the contrary
quite the opposite
全くの逆

quite the thing
当世流行のもの

It's quite the thing just now.
それは今流行っています。

[8-6]/a rather 形容詞 名詞/rather a 形容詞 名詞/のいずれかの語順をとる。後者のほうがよく用いられる。通常、好ましくない意味をもつ形容詞が続く。中立の意味の形容詞と用いると悪い意味を込める。それに対して、fairy は普通に a fairly 形容詞 名詞の語順で用いられ、好ましい意味をもつ形容詞が続き、中立の意味の形容詞と用いると良い意味を込める。

It was /a rather hot day/rather a hot day/.
それは暑苦しい日だった。(不快な暑さ)

It was /a fairly hot day/×fairly a hot day/.
それは暑い日だった。(快い暑さ)

"That is true," murmured Poirot, with a rather crestfallen air.
「それは本当だ」とポワロはかなり意気消沈して呟いた。

[8-7]half a 名詞

half an hour
半時間

[8-7例外]halfと名詞の結びつきが強く、それらで一つの名詞と考えられる場合は、通常の a 形容詞 名詞の語順になる。

a half moon
半月

[8-8]/half/double/twice/three times/ (of) the 名詞。the が付きこの語順になるときは、限定されたものの半分等の意味になる。of が省略されたと考えるとよい。

I had to pay double the sum.
わたしはその金額の半分を支払わなければならなかった。

The jet can fly at twice the speed of sound.
そのジェット機は音速の二倍で飛ぶことができる。

Half the members were absent.
会員の半分が欠席した。

[8-8例外]「半分欠けた」「二重の」などの意味で、形容詞と名詞の結びつきが強いときは通常通りの語順になる。

a half moon
半月
a double lock
二重鍵
a double suicide
心中

[8-9]/all/both/ (of) the 名詞。上と同様に、the が付きこの語順になると限定されたもののすべて等の意味になる。of が省略されたと考えるとよい。

all と both の用法はほぼ同様である。ただし、both においては the は省略可能。all において the を省略すると意味が変わる。

All (of) the students are coming to the party.
その学生たちは皆、パーティーに来ることになっている。

Both (of) (the) students are coming to the party.
その学生は両方ともパーティーに来ることになっている。

All the students hate exams.
その学生たちは皆、試験が嫌いだ。

All (無冠詞) students hate exams.
(一般に)学生は皆、試験が嫌いだ。

We walked all the way.
わたしたちは道の全部を歩いた。

このように可算名詞の単数形に all the が付くと「(限定された)一つのものの全体」という意味になる。

[8-10]a /great/good/ many 名詞複数形(複数扱い)=very many⇔many a 名詞単数形(単数扱い、個を強調する)

A good many books in that library were burned by the fire.
火事であの図書館の相当数の本が焼けました。

Many a student has made the same mistakes.
多くの学生が同じ間違いをしてきた。

I have been there a good many times.
私はそこへ何度も行ったことがある。

[8-11]副詞句としての/twice/three times/ a 名詞。「~につき」という意味である。この a は前置詞に由来する a である。従って a の前に他の前置詞が来ることはない。

We meet twice (×in) a week.
我々は週2回会う。

[9]冠詞の省略

[9]概して日常的によく使われる表現では冠詞が慣用的に省略されるようになる。

[9-1]無冠詞の可算名詞複数形、集合名詞、不可算名詞で一般のものを指す。つまり、総称。

(無冠詞) Nuclear weapons can extinguish all the living things on the earth.
核兵器は地球上のすべての生物を絶滅させうる。(可算名詞複数形)

(無冠詞) Cattle live on grass. 牛は草を常食にする。(集合名詞)

(無冠詞) Money talks.
カネはものを言う。(不可算名詞、物質名詞)

(無冠詞) Beauty is in the eye of beholder.(不可算名詞、抽象名詞)
美は見る人の感覚次第である。

ところで、上の例文の the eye は前述の普通名詞を抽象名詞化する用法である。だから、単数形になった。

[9-1-1] one, man, woman はそれだけで総称を表すことがあるが、格式体である。

Woman lives longer than man in most countries.(格式体)→
Women live longer than men in most countries.(普通体)
ほとんどの国で女性は男性より長生きする。

[9-2]呼びかけの名詞と、呼びかけに限らず、家族親戚内の会話の中で家族、親戚関係を表す名詞。呼びかけるような状況と家族親戚内なら the, my, your などを付けなくても限定されるため。

Good morning, (無冠詞) Doctor!
おはようございます、先生。

Thank you, (無冠詞) Uncle.
ありがとう、おじさん。

このように呼びかけの場合は固有名詞化され大文字から始めることがある。

(無冠詞) Uncle is coming tomorrow.
おじさんは明日、来ることになっている。

Has (無冠詞) mother gone out?
おかあさんは出かけたの。

家族親戚以外の他人が聞くなら、Has your mother gone out? となる。

[9-3]唯一の役職を示す名詞が補語、同格、as の目的語になっている場合。

They elected Bill (無冠詞) captain of the team.(補語)
彼らはビルをチームの主将に選んだ。

Victoria, (無冠詞) queen of England was noted for her wisdom.(同格)
イングランドの女王のビクトリアは賢明さで知られていた。

He /served/acted/ as (無冠詞) principal of our school for five years.( as の目的語)
彼は5年間わが校の校長を務めた。

She resigned as (無冠詞) chairperson of the bank.( as の目的語)
彼女はその銀行の頭取を辞任した。

[9-4]称号+固有名詞。称号が冠詞のように機能しているからである。

King George
Queen Elizabeth
Professor Benson
/Mount/Mt./ Everest
/Lake Victoria/the Lake of Victoria/

[9-5]名詞の対句では無冠詞。young and oldのように形容詞が名詞化され対句になるときも無冠詞。

I pronounce you man and wife.
あなた方を夫婦と宣言します。(教会で牧師が)

Mother and child are doing well.
母子ともに健康です。(産後に)

They went hand in hand.
彼らは手に手を取って行った。

[9-6]日常的な道具、手段、食事、乗り物、施設…などを表す名詞がそのものではなく機能的側面を表す場合無冠詞になる。抽象名詞化されるとも言える。

We go to church on Sunday.
私たちは日曜日に礼拝に行く。

どこの教会に行くかは問題にならず、礼拝に行くことが問題になる。

He is /in hospital(英)/He is in the hospital(米)/ now.
彼は今、入院中です。

どこの病院に入るかは問題にならず、入院することが問題になる。(米)の the が付く表現は、go to the doctor と同様の「もよりの」という意味の状況から限定されて the が付く表現である。

go to bed
就寝する

get out of bed
起床する

It's time for bed.
寝る時間だ。

それらに対して、

Don't sit on the bed.
ベッドに座るな。

これは機能的側面ではなくベッドそのものを表すから冠詞が付く。

He came by /bus/car/train/plane/.
彼は/バスで/車で/電車で/飛行機で/来た。

Are you going by bicycle or on foot?
あなたは自転車で行きますか、歩いて行きますか。

go to war
戦争を始める

Breakfast is ready.
朝食ができている。

He invited us /to/for/ tea.
彼は私たちをお茶に招いてくれた。

I had an early lunch.
私は早い昼を食べた。

修飾語が付くと、複数ある種類の中の一つを指すため不定冠詞(a)が付いた。

The lunch I ordered hasn't come yet.
私が注文したランチはまだ来ていない。

修飾語が付くと、後続する修飾語によって限定されるため定冠詞(the)が付いた。

[9-7]慣用句。日常でよく使われる句で慣用的に冠詞が省略されたもの。[9-6]と重なる。

by /accident/chance/
偶然に
on duty
勤務中で
make fun of -
からかう
take care of -
世話をする
take place
起こる

He is always ready to find fault with other people.
彼はいつも他人のあらさがしをしようと手ぐすね引いている。

[9-7-1]無冠詞となった名詞に修飾語が付くと冠詞が付くことがある。付かないこともある。

by a lucky chance
幸運にも

He greeted me with (無冠詞) warmth.
彼は私に暖かく挨拶した。

He greeted me with a warmth that was surprising.
彼は驚くほどの暖かさで私に挨拶した。

これは複数ある種類の一つを指す a が付いた。

He greeted me with the warmth that I was accustomed to.
彼はいつもの暖かさで私に挨拶した。

これは後続する節によって限定される the が付いた。

He takes (×a) good care of his little brother.
彼は弟をとてもかわいがっている。

これには a が付かない。take care of がかなり慣用化しているためである。

[9-8]新聞の見出し、掲示、本の題名、章名など

MAN KILLED ON MOUNTAIN
男性、山で死亡

[9-9]a kind of/a sort ofに続く可算名詞。可算名詞に a を付けるのは略式体で軽蔑を表す。

He is just the kind of (無冠詞) person I wanted.
彼は私がちょうど欲しいと思っていた通りの人です。

This is a new kind of (無冠詞) melon. = This is a melon of a new kind = This melon is of a new kind.
これは新種のメロンだ。

What kind of a job is that?
それはどんな仕事だ(くだらなそうだ)。

[9-10]形容詞的機能をもつ名詞は無冠詞になることがある。

[9-10-1]enoughに修飾される

He was fool enough to marry her.
彼は愚かにも彼女と結婚した。

[9-10-2]moreに修飾される

Mary is more child than woman.
メアリーは女っぽいというより子供っぽい。

[10]冠詞の反復

[10-1]冠詞 単数名詞 and 冠詞 単数名詞なら二つの異なるものを指し、冠詞 単数名詞 and 単数名詞なら一つのものととらえる。

They are a novelist and a playwright.
彼らは小説家と劇作家だ。

He is a novelist and playwright.
彼は小説家で劇作家だ。

[10-1-1]一つのものととられられるもので慣用句になったものもある。

a cup and saucer
受け皿付きカップ
the bread and butter
バター付きパン
a needle and thread
糸付き針
the whiskey and soda
ウイスキーのソーダ割り

[10-2]冠詞 形容詞 and 冠詞 形容詞 単数名詞なら二つの異なるものを指し、冠詞 形容詞 and 形容詞 単数名詞なら一つのものを指す。

a white and a black dog
白い犬と黒い犬

a black and white dog
黒と白のまだらの犬

[10例外]二つの異なるものであることが明らかな場合は後者で二つの異なるものを指すことがある。その場合でさらに名詞を複数形にすることがある。そのほうが論理的と言える。

the 19th and the 20th century = the 19th and 20th /century/centuries/
十九世紀と二十世紀

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