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否定・否定文・否定語

[1]否定

[1-1]否定の種類

①文否定、文の全体を否定する。
②構成素否定、文のうちの節、句、単語などだけを否定する。

John will not come, and neither will Mary.①
ジョンは来ないだろうし、メアリーも来ないだろう。

Not until yesterday did he change his mind.①
昨日まで彼は決心を変えなかった。

Writers will not accept anything, not even suggestion.①
作家は何も受け入れない。示唆さえもだ。

Not surprisingly, she refused him.(② surprisingly を否定)
驚くにあたいしないが、彼女は彼の申し出を断った。

He decided not to wait till his company fired him.(② to wait till his company fired him を否定)
彼は会社が自分を首にするまで待たないと決めた.

He is a not clever boy.(② clever を否定)
彼は頭の悪い少年だ。

Not all the students in this class can swim.①
このクラスのすべての生徒が泳げるわけではない。

このように文否定はいわゆる「部分否定」と異なる。

[1-2]否定語の分類

否定語
 副詞
  not, never, neither, nor
 形容詞
  no
 代名詞
  none, nobody, no one, nothing
準否定語  副詞
  hardly, scarcely, rarely, seldom, little
 形容詞
  little, few

準否定語は、否定語と同様に any, ever, yet などと共起する。つまり、意味的だけでなく文法的にも否定語として扱われる。

I could /hardly/scarcely/ eat anything.
私はほとんど何も食べられなかった。

Few people have ever seen it.
それを見た人はほとんどいない。

Few people know it yet.
それを知っている人はまだほとんどいない。

[1-2-1]little が副詞として中位または文頭に置かれると、強い否定を表す。また、文頭に置かれると倒置が生じる。

He little knows the trouble he's caused.
彼は自分が起こした厄介に全く気付いていない。

Little did she dream that she would marry him.
彼女は彼と結婚するとは夢にも思っていなかった。

[1-3]否定語の作用領域。通常、否定語の作用はその右側全体に及ぶ。それは、その右側の中に any, ever, yet などが出現することで確認できる。

I [didn't understand anything about it].
私はそれについて何も分からなかった。

I [haven't read the book yet].
私はその本をまだ読んでいない。

[1-3-1]だが、必ずしもそうではない。それは some などの出現で確認できる。だが、some, any などがない場合は、文脈とコンマの有無、強勢、抑揚などで測り知るしかない。複文においてもである。

I [didn't listen] to some of the speakers.
私は講演者のうち何人かの話を聞かなかった。

I [didn't leave home because I was afraid of my father].=
I left home, but it wasn't because I was afraid of my father.
私が家を出たのは父親が怖かったからではない。

I [didn't leave home] because I was afraid of my father.=
Because I was afraid of my father, [I didn't leave home].
父親が怖かったから、私は家を出なかった。

[2]文否定

[2-1]文否定であることを明確に示す方法

John isn't American.→
It is not so that John is American.
ジョンはアメリカ人ではない。

[2-2]文否定であることの証

①It is not so that 肯定文 で置き換えできる。
②肯定の付加疑問文を付けることができる。
③(and) /neither/nor/ 助動詞+主語を付加できる。
④否定語句が文頭に来ると助動詞+主語の倒置が起こる。
⑤ not evenを付加できる。

John isn't a teacher.→①
It is not so that John is a teacher.
ジョンは教師でない。

You don't like cats, do you?②
あなたは猫が嫌いですね。

John will not come, and neither will Mary.③
ジョンは来ないだろうし、メアリーも来ないだろう。

Not until yesterday did he change his mind.④
昨日まで彼は決心を変えなかった。

Writers will not accept anything, not even suggestion.⑤
作家は何も受け入れない。示唆さえもだ。

[2-3]副詞である準否定語/hardly/scarcely/, /seldom/rarely/, little が中位または文頭に来るとき、/little/few/が主語を修飾するときも文否定になる。


I could /hardly/scarcely/ eat anything.
私はほとんど何も食べられなかった。

/Seldom/Rarely/ does crime pay.
犯罪で儲かることはめったにない。

There is little hope, is there?
希望はほとんどないですね。

[2-4]文否定を補助する語句

[2-4-1] much less (まして~ない), not even (~さえもない), not if (~であってもない)は文否定の否定文にさらに否定されるものを付け加える

Writers will not accept any suggestion, much less advice.
作家は、忠告は言うまでもなく、示唆も受け入れない。

Writers will not accept anything, not even suggestion.
作家は何も受け入れない。示唆さえもだ。

I wouldn't let you touch me, not if I was starving.
私はあなたに体を触らせたりしない。喩え飢え死にしても。

[2-4-1-1] not if に対して、if not は「~でないにしても」

The news is accurate in many, if not most, respects.
そのニュースはほとんどでないにしても(少なくとも)多くの点で正確だ。

[2-4-2] much more (まして~である)は肯定文にさらに肯定されるものを付け加えるが、現代では用いられない。

[2-4-3]/let alone/not to speak of/not to mention/to say nothing of/ は文否定の否定文または肯定文にさらに否定されるものまたは肯定されるものを付け加える。to say nothing of は他と異なり、通例よくないことに用いられる。

The garden is a mess, to say nothing of the house.
家は言うまでもなく, 庭もひどいものだった。

It was a complete waste of time, to say nothing of the expense.
それは完全な時間の浪費だった. さらにその費用も大きかった。

She is fluent in three languages, not to speak of her mother tongue.
彼女は自分の母語はもちろんのこと, 3か国語が流暢だ。

I can't speak English, let alone write it.
私は英語を話せない。まして書くことはできない。

[2-5]否定語の位置と文否定、構成素否定の関係

[2-5-1]副詞の否定語が中位に置かれると多くの場合、文否定になる。だが、必ずしもそうではなく、副詞の否定語が中位に置かれた場合に構成素否定のことがある。

I [didn't talk to any of them].(文否定)
私は彼らの誰にも話しかけなかった。

I [didn't talk] to some of them.(構成素否定)
私は彼らの何人かに話しかけなかった。

[2-5-2]否定語全般が文頭に置かれ助動詞→主語の倒置を生じると文否定である。

Never will I talk to them.
彼らに話しかけるつもりは全くない。

[2-5-3]主語に否定語が付くと、文否定になる。not より any が先んじる Any 主語 ... not ... は許されない。Not any 主語 ... は許され文否定になる。ただし、任意の any を除く。

×Anybody didn't come.→
〇Nobody came.
〇Not anybody came.
誰も来なかった。

None of us were ready.
私たちは誰も準備ができていなかった。

[2-5-4]主語以外の要素に否定語が付いて文否定になることがある。だが、中位の not ... any ... のほうが自然である。

〇We haven't had any lunch.
△We've had no lunch.
私たちはランチを食べていない。

〇He didn't see either man.
△He saw neither man.
彼はどちらの男も見なかった。

〇I haven't bought anything for you.
△I've bought nothing for you.
私は君には何も買っていない。

〇I wasn't in any way surprised.
△I was in no way surprised.
〇In no way was I surprised.
私はどのようにも驚かなかった。

〇I haven't seen them anywhere.
△I've seen them nowhere.
〇Nowhere have I seen them.
私は彼らをどこでも見かけていない。

〇He doesn't ever visit us.
〇He never visit us.
彼は全然会いに来ない。

〇He's not at school any longer.
△He's at school no longer.
〇No longer is he at school.
彼はもう学校に行っていない。

〇He couldn't speak, and he couldn't walk either.
〇He couldn't speak, nor/(and) neither could he walk.
彼は話すことも歩くこともできなかった。

[2-6] not より any が先行する any ... not ... の語順は許されない。ただし、任意の any を除く。

×Any students don't like exams.→
〇No students like exams.
〇Not any students like exams.
試験が好きな学生はいない。

〇Any one who does that isn't honest.(任意の any )
そんなことをする人は誰でも正直じゃない。

[2-7]以下の語句は文否定で用いられない。

[2-7-1] at last

He turned up at last.
彼はとうとう現れた。

×He didn't turn up at last.→
〇He didn't turn up after all.
彼は結局、来なかった。

[2-7-2] each

×Each of the girls was not dressed neatly.→
〇/Neither/None/ of the girls were dressed neatly.
どの少女も綺麗な服を着ていなかった。

[3]構成素否定

[3-1]構成素否定の文法的証

①It is not so that で置き換えできない。
②否定形の付加疑問文を付加できる。
③/(and) 主語+動詞, /too/either//so 助動詞+主語/を付加できる。
④否定語句が文頭に来ても助動詞+主語の倒置が起こらない。
⑤not evenを付加できず、evenを付加できる。

He came home in no time, didn't he?②
彼はすぐ家に帰ってきましたね。

John is unhappy, and so is she.③
ジョンは不幸であり、メアリーもそうだ。

In no clothes, she will look attractive.④
服を着なければ、彼女は魅力的に見えるだろう。

Not long ago there was some snow, even in Florida.④⑤
ついこの間、フロリダでさえ雪が降った。

With no job, he would be happy.④
仕事がなければ、彼は幸せだろう。

それに対して、次は文否定である。

With no job would he be happy.
彼はどんな仕事をしても幸せにはならないだろう。

[3-2]文否定、構成素否定と not の位置

① not が中位、文頭以外にあるときは、構成素否定であり、not は否定する構成素の前に置かれる。
② not が中位にあるとき、文否定か、構成素否定か、どの構成素を否定するかは、強勢がどこにあるか、イタリック体または大文字か、any, ever, yet などの有無、文脈から判断するしかない。
③ not が文頭にあるときは、倒置が有るなら文否定であり、倒置が無いなら構成素否定であり、文頭部分が否定される。
④動詞を否定するときは not は中位にあらざるをえない。

以下に、構成素否定であるときは否定される構成素を[]で示すか大文字で示す。

[Not surprisingly], she refused him.③
驚くにあたいしないが、彼女は彼の申し出を断った。

He decided [not to wait till his company fired him].①
彼は会社が自分を首にするまで待たないと決めた。

He is a [not clever] boy.①
彼は頭の悪い少年だ。

Try [not to break the vase].①
その花瓶を割らないようにしてくれ.

John didn't go to Chicago.(文否定)
ジョンはシカゴに行かなかった。

JOHN didn't fly to Chicago.②→
It was not John that flied to Chicago.
シカゴに飛行機で行ったのはジョンではない。

John didn't FLY to Chicago.②④→
It was not by air that John went to Chicago.
ジョンがシカゴに行ったのは飛行機でではない。

John didn't fly to CHICAGO.②→
It was not Chicago that John flew to.
ジョンが飛行機で行ったのはシカゴではない。

I [didn't listen] to some of the speakers.②( some が使われている)
私は講演者のうち何人かの話を聞かなかった。

I didn't listen to any of the speakers.(文否定)
私はどの講演者の話も聞かなかった。

[3-3]A is not a B と A is no B の違い。前者は文否定、後者は構成素否定である。

He is [no fool].(構成素否定)
彼は馬鹿どころではない(天才だ)。

He is not a fool.(文否定)
彼は馬鹿ではない(馬鹿であることを否定しているだけで、賢いとは限らない)。

That's [no joke].(構成素否定)
それは冗談どころではない。

That's not a joke.(文否定)
それは冗談ではない。

[3-4]数量詞→否定語の順では動詞句のみを否定する。否定語→数量詞の順では文全体を否定する。

Many arrows [did not hit the target].(動詞句否定)
的に当たらない矢は多かった。

The target wasn't hit by many arrows.(文否定)
的に多くの矢が当たったわけではない。

Some of the men [didn't see anything].(動詞句否定)
その男たちのうち何人かは何も見なかった。

None of the men saw anything.(文否定)
その男たちは誰も何も見なかった。

All cats [don't like water].(動詞句否定)
No cat likes water.(文否定)
ネコはすべて水が嫌いだ。(これらの二文は結果的に意味が等しくなる)

Not all cats like water.(文否定)
すべての猫が水が好きなわけではない。

[3-4例外]だが、数量詞が前にあっても文否定であることが稀にある。特にことわざで。

All is not gold that glitter.
光るものがすべて金ではない。

All men are not true.
すべての男が誠実なわけではない。

All is not paid that is promised.
約束されたものがすべて支払われるわけではない。

[3-4-1]だが、数量詞→否定語の順の文は不自然であり、通常は以下のように書き換えられる。

Many arrows did not hit the target.→
A few arrows hit the target.
的に当たらない矢は多かった。

All cats don't like water.→
No cat likes water.

[3-4-1例外] some, 任意の any, every, several は否定語に先立つことができ、そうなった文は不自然でない。

Any spot on earth could not be so still.
地球上のどんなところもこんなに静かであるわけがない。

[4]否定辞上昇

[4]意味的には前方の主節ではなく後方の従属節が否定されているのだが、否定語が前方の主節に移動することがある。否定語を少しでも早く表出しようとするヨーロッパ語の傾向の表れである。

I don't think any spot on earth could be so still.
〇地球上のどんなところもこんなに静かであるわけがないと私は思う。
×地球上のどんなところもこんなに静かであると私は思わない。

上が否定辞上昇の例文である。それに対して、以下は否定辞上昇ではない。

They didn't know I'd ever met you before.
私が以前にあなたと会ったことがあることを彼らは知らなかった。

They knew I'd never met you before.
私が以前にあなたと会ったことがないことを彼らは知っていた。

[4-1]否定辞上昇が生じえるか生じえないかは動詞によってだいたい決まっている。

[4-1-1]否定辞上昇が生じえる動詞

思考、推測の動詞
believe, expect, suppose, guess, imagine, reckon, suspect, think, fancy, be supposed to
知覚、感覚の動詞
seem, appear, feel, look, sound

[4-1-2]否定辞上昇が生じえない動詞

推測
assume, surmise, presume, hope
認知
know

[4-2]否定辞上昇では any, ever, yet, need+原型不定詞などの否定文でのみ使われる語句が従位節で使用される。従位節が肯定形であるにも係らずである。

I don't think I'll ever try that again.
だが、私がもう一度それをやってみることはないと思う。

I don't think you need give it up.
君がそれをあきらめる必要はないと思う。

[4-3] hope について。よい結果を推測する時は I hope, 悪い結果を推測する時は I'm afraid を用いる。前述のとおり、否定辞上昇を生じない。

I hope (that) it /won't/doesn't/ rain tomorrow.=
I'm afraid (that) it will rain tomorrow.
×I don't hope it will rain tomorrow.
明日雨が降らなければいいのですが。

"Do you think it will be fine tomorrow?" "I hope so." = "I hope it will."
×"I hope it."
「明日晴れると思いますか」「晴れたらいいですね」

"Do you think it will rain tomorrow?" "I hope not." = "I hope it will not." ≒ "I'm afraid (it will)."
×"I don't hope so."
「明日雨が降ると思いますか」「降ったら困ります(困りますが降るでしょう)」

[4-4] I don't think so か I hope not か。I don't think so は否定辞上昇であり、「私はそうは思わない」ではなく「わたしは違うと思う」であり、積極的に否定する。それに対して、I hope not は「そうでないことを願う」であり、口調は穏やかである。

[4-5] It does not seem that -か It seems that - not -か? seem は否定辞上昇を生じえる動詞であり、前者が普通。

The man does not seem to understand what I am saying.=
It does not seem that the man understands what I am saying.
その男は私が言っていることを理解できないように見える。

[5]否定語が複数生じる文

[5-1]累積否定。本来なら文否定を表すのに not 一つでよいはずだが、文中の否定形を取りうる語はすべて否定語にして文否定を表すこと。ロンドンの下町言葉やアメリカの黒人英語(black English)など非標準語に見られる。

No one ever said anything.(標準語)
No one never said nothing.(非標準語)
誰も何も一度も言わなかった。

I never did any harm to anybody.(標準語)
I never did no harm to nobody.(非標準語)
私は誰にもどんな害も一度も加えたことがない。

[5-2] 二重否定。以下は二重否定であり非標準ではない。

[5-2-1-1] can't not = 「~しないわけにいかない」= cannot help -ing 一番目の not は助動詞否定(=文否定)の not であり、二番目の not は動詞句否定の not である。だが、cannot help -ing のほうが普通である。

I can't [not obey].= I can't help obeying.
私は従わないわけにいかない。

You can't fish and not eat.= It is impossible that you fish and don't eat.
釣ったのに食べないなんてできないだろう。

[5-2-1-2] can't not で「~ないということはありえない」という意味もある。つまり、推測の can は助動詞否定だが、それが動詞句否定を伴うことがあるのである。

He couldn't [have not seen the money] if he had been looking for it.
チャーリーがそのカネを探していたのなら、それを見ていないということはありえない。

[5-2-2] There is no - without -

There is no rule without exceptions.
例外のない規則はない。

[5-2-3] cannot - too - 「いくら~してもしすぎることはない」。

You cannot be too careful when you drive a car.
車の運転にはいくら注意してもしすぎることはない。

[5-2-3-1] too の代わりに、enough, sufficiently, over- なども用いられる。

I cannot thank him /enough/sufficiently/ for his help.
彼の助けにはいくら感謝しても十分と言えない。

Its value cannot be overestimated.
その価値を過大評価することなんてできない。

[5-2-4]その他

They does[n't visit us rarely].=
It isn't rarely that they visit us.
彼らが私たちを訪ねてくるのは稀ではない。

[6]反復簡略化否定

[6-1]否定文に続いて、簡略的に否定を表す表現

nor/(and) neither 動詞+主語
much less, not even, not if

Writers will not accept any suggestion, much less advice.
作家は忠告は言うまでもなく示唆さえも受け入れない。

Writers will not accept anything, not even suggestion.
作家は何も受け入れない。示唆さえもだ。

I wouldn't let you touch me, not if I was starving.
私はあなたに体を触らせたりしない。喩え飢え死にしても。

[6-2]以下は否定文にも肯定文にも続けることができる。

let alone/not to speak of/not to mention/to say nothing of

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