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小説『二千年代の乗り越え方』略称"2000s"

NPО法人 わたしたちの生存ネット 編著

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反政府グループ間の争いの予防の例

  B国を始め多くの国で複数の反政府グループがあった。反政府グループどうしの争いが革命失敗の最大の原因である。それに対して、十分な準備がなされていた。自由権を擁護する法の支配系に最低限度必要な自由権と民主制と三権分立制と法の支配に絞って、反政府グループと市民の間で議論し確認し共有した。それ以外のことは革命の終結後に市民の投票に委ねた。例として繰り返す。経済体制について。「資本主義経済」または「自由主義経済」または「市場経済」か「共産主義経済」または「社会主義経済」か…などは既に問題にならない。二千年を過ぎてしばらくして、経済はすべてそれらの混合物になっていた。それをかつての「混合経済」と呼ぶと誤解が生じる。現在のものは隅から隅まで混合物だからである。だが、その混合物の詳細については様々な議論がある。また、自然の保全の詳細についても様々な議論がある。そのような詳細は、最終的に市民が投票で決めればよいことである。そのような詳細で争わないようにした。そのために、反政府グループの間の争いが少なく、争いによる犠牲者は零だった。これはVの忍耐強い説得によるところが大きい。本気でVを遠隔で賞賛した。すると、Vにも私が眠っていたことが伝わっていて「お前たちと俺たちは十分な準備をしていた。だからお前は本番で眠っていてよかったんだ。これが本来の革命のあり方だ」と返って来た。
  だが、それは冗談ではなくなった。Vは、革命完結後も準備段階の重要性を、世界でネットワークで強調してくれた。そして、私が眠っていたことがネットワークでささやかれると、それを準備段階の重要性を例証する一例として使ってくれた。そのVの擁護があったから、私は言える。一時的な熱狂やカリスマ性よりは眠っているほうがマシだろう。
  少なくとも革命の前に反政府グループと市民の間で、自由権を擁護する法の支配系(L系)に最低限度必要な自由権と民主制と権力分立制と法の支配を議論し確認し共有し、じっくりと準備する必要がある。その後でできるだけ速やかに、旧政権を倒し、暫定政権を樹立する。その後で社会権を保障する人の支配系(S系)が、圧政で荒れた経済と生活、医療福祉、労使関係、教育、文化…などをできるだけ速やかに立て直す。そうしないと市民は付いてこない。その後でできるだけ速やかに選挙と国民投票を実施し、本格的な憲法と、S系と、L系を確立する。結局、革命には準備が不可欠だ。歴史上、数ある革命が失敗に終わったのは、それらの準備を怠ったからだ。準備もしていないのに革命をするな。それらをグループGとグループHは世界の反政府グループと市民とともに確認した。もう「眠っていてよかったな」とか「眠っていたやつがいるらしいな」とかは返って来なかった。みんなもう熱狂や冗談に飽きていた。準備段階と同様の平静さに戻っていた。その平静さが重要だと思った。また、熱狂はカリスマ的指導者を生みやすい。革命にカリスマ性は不要であるだけでなく弊害である。カリスマ的指導者がすぐに独裁へと走るからである。私たちはそのことも確認した。実際、世界でカリスマ的指導者は出なかった。

今後のための方法

  今後、今回のような「世界同時同日革命」は起きないだろう。今後、革命は世界のいくつかの国・地域で散発的に起こるだろう。そのような散発の革命にも有効な方法を練っておく必要がある。また、今回の革命での失敗を教訓にして、権力者も対策を講じるだろう。その対策に対する対策も練っておく必要がある。
  今回、私たちは世界同時的に起きている革命の様子を世界の反政府グループと市民と旧政権の人々に逐次、報告した。復活しつつあるマスコミも伝えてくれた。そこで、旧政権の人々も、世界の趨勢がもはや止められないことを理解してくれた。そこで、旧政権から新たな離反者が相次いだ。つまり、「世界同時同日革命」に特有の世界的な趨勢があるからこそうまく行った。今後は世界のほとんどの政府が同時に非民主的であることはないだろう。だから、革命が同時に起こる必要はないだろう。だから、その世界的な趨勢に期待できないだろう。だから、今後は今回とった方法を諸国・地域が地味で地道に実施する必要がある。
  今回、権力者が、一部の国の政府と軍の主要施設だけを本当に限定的に破壊してくれた。世界の政治的権力者が、過剰反応してすぐにシェルターに逃げ込んでくれた。シェルターは袋小路のようなもので、逃げた後は地下の限られた空間でしか暗躍できない。権力者が海底や宇宙に逃げ込んでいれば厄介だった。だが、そもそも、全体破壊手段が全廃された後の世界では、権力者が一斉にシェルターや宇宙船や潜水艦に退避するということはありえない。だが、今後も権力者が何らかの形で退避するということはありえるだろう。しかも、今回のことを教訓にして、退避していることを厳重に隠すだろう。また、シェルターというような限られた空間より、海やはたまた宇宙に退避するだろう。それらに対処するために「国家元首と、自由権を擁護する法の支配系の立法権の議員と、軍にせよ警察にせよ公的武力の長官は、それらの公式所在地の近隣に居住しなければならない。それらの公式所在地または居住地から退避した者は、それらの職責を放棄したものと見なす」というようなことを、憲法と法律で規定する必要があると思った。そこで、さっそくその必要性をネットワークで世界中に提示し議論してもらった。家族も居住するのか?近隣とは何メートルか?…などの議論があったが、それらは憲法で規定する必要はなく、法律で規定すればよい、ということになった。
  また、どこかの権力者が自殺も辞さないような自暴自棄に陥っていたら…などと思うとゾッとする。私たちは内戦や革命で全体破壊手段を使用する馬鹿は、どこにもいないと確信して戦略を練っていた。だが、自殺も辞さないような自暴自棄に陥る権力者が現れる恐れはある。そのような者が自殺する手段として、または自殺するついでに全体破壊手段を使用する恐れはある。また、革命や内戦のどさくさの中で、全体破壊手段の故障や事故の危険は高まる。そのような事態にならないためにも、全体破壊手段を全廃し予防する必要があり、革命と全体破壊手段全廃予防は並行する必要がある。
  また、今後、反政府グループどうしの争いが熾烈になる可能性はある。また、驚異的なカリスマ的指導者が出現する可能性はある。それらを防ぐためには、今回とった方法をもっと徹底する必要がある。
  また、前述の「世界の市民と世界の権力者という横割りの構造」の中で世界の市民がまとまったから、世界的な革命がうまくいった。もし、世界の権力者がまとまっていたら…と思うとゾッとする。今後は世界の権力者が世界的な独裁への逆行のために密談し陰謀を巡らし連携する可能性がある。今後、私たちはそれらの動きを警戒し、それらの動きを暴露し批判する必要がある。また、今回の革命の主力になってくれた「離反者」の再来に望みを懸け、今回の革命にあったような離反を推奨する制度を維持し強化する必要がある。
  いずれにしても、私たちは、民主的分立的制度を確立した後も、それを全力を挙げて維持する必要がある。また、全体破壊手段を全廃した後も、それを全力を挙げて予防し続ける必要がある。民主的分立的制度には自身を保全する力がある。例えば、言論の自由には、権力を暴露し批判して権力の暴走を予防し、言論の自由と民主的分立的制度そのものを維持する力がある。また、法の支配には法の支配そのものを維持する力がある。そのような力を最大限に活かして、民主的分立的制度を維持する必要がある。全体破壊手段について、大戦や超大国間の戦争だけでなく、全体破壊手段の不測の故障や、自然な老化や、自然災害による事故や、アウトサイダーによる侵入と操作や、権力者が自殺も辞さないような自暴自棄に陥ることはいつでもどこでもありうる。だから、全体破壊手段の全廃後も全力を挙げて予防し続けなければならない。それらを、グループGとグループHは世界の反政府グループと市民とともに確認した。

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